幸せの第一歩 ~それぞれのスタート~
こちらでは、実際に当店のスタッフが接客している時に出逢ったストーリーです。
お客様の実名や個人情報となるようなことは控えさせていただきます。
第1話 「キミが喜んでくれるなら」
当店は、結婚指輪も取り扱っているジュエリーショップです。
平日や土日祝日関係なく、たくさんのお客様がご来店されます。
また、結婚指輪をお求めに、遠く地方から来てくださるお客様もいらっしゃいます。
今回お話するお客様もその一組。
まだまだ暑い日が続く7月の平日。
夕方になっても、まだまだ暑さが残ったままでした。
スタッフも暑さに耐えながら業務を行っていると、そこへ一組のカップルがご来店されました。
スタッフ 「いらっしゃいませ。ご結婚ですか?」
いつものように商品のご案内をして、色々とご相談させていただいていました。
(お二人とも気に入ったデザインが決まり、ご購入していただけそうだな。)
なんて気持ちがホッとしところ、奥様が何となく婚約指輪のところへ。
(最初のお話では、婚約指輪は予定にはなかったはず・・・。でも、女性ならやっぱり欲しいって思うよな~。)
スタッフ 「奥様、もしよかったら、着けてみませんか?せっかくですから、着けて楽しんでみてください。」
奥様は少し気が引けていましたが、スタッフの勧めにより着けてみることに。
奥様 「うわぁ~、キレイ。ダイヤって、こんなに輝くんですね。」
その表情は、今日お会いした中で、一番輝いた笑顔でした。
スタッフ 「せっかくですし、先ほどお選びになった指輪と合わせてつけてみませんか?」
スタッフは奥様の指に、結婚指輪と婚約指輪を着けてみた。
奥様 「ピッタリッ!こんな着けた方あるんですね。ありがとうございます。素敵な経験をさせてもらいました。」
どことなく少し寂しげな表情とも感じ取れる奥様。
ただ、お二人のご予算もあるので、こちらからはあまりお勧めできず、着けていただいた指輪を見つめるばかりでした。
旦那様 「あのさ・・・。よかったらだけど・・・。俺、この指輪じゃなくてもいいからさ・・・。
その~、その指輪買わないか?」
旦那様が突然、思わぬことを!
奥様も私もあまりにも驚いて、旦那様の顔をジッと見つめてしまいました。
旦那様 「俺は別にかまわないけど、○○(奥様の名前)が気に入ってるんだろ?だったら、買ったらいいんじゃないか。」
旦那様は優しい笑顔で奥様を見つめながらお話してました。
奥様 「・・・いいの?だって、××(旦那様の名前)も気に入ってたのに・・・。」
旦那様 「キミが喜んでくれるなら、俺はかまわないよ。俺のことは気にするなよ。一生に一回だけなんだしさ。」
奥様 「・・・ありがとう。これからもよろしくお願いします。」
奥様は今にも泣き出しそうなのを堪えながら、旦那様の傍へ。
そして、旦那様の指輪探しをやりなおし、
先ほど決まったプランを変更して、旦那様は少しシンプルなものに・・・。
スタッフ 「では、こちらの内容でお作りさせていただきます。ありがとうございます。」
奥様 「こちらこそ、ありがとうございました。」
お店からお帰りになる姿をずっと見つめてしまいました。
お二人の繋がられた手が、どこか固く強く結ばれた絆、約束、愛の証のように映っていたので。
「いらっしゃいませ。ご結婚ですか?」
今日も素敵なストーリーが私たちのもとに・・・。